音信不通になったから、
死んでる可能性も、
少しはあると思っていた。

でも、確率としては、
1%以下くらいにしか思ってなかった。

最悪のパターンが、まさかの現実だった。

 

亡くなった原因を聞いても、
貴ちゃんの母親は、はぐらかすから、
それ以上は聞かなかった。

でも、言えないってことは、
そういうことだよね。

交通事故とか病気だったら、
普通に話せるだろうし。

元気にお酒を飲んだ後、
たった1ヶ月半後に亡くなるなんて、
普通じゃ考えられないことだから。

 

正直、まだ実感が沸かない。

お線香をあげた時も、
手を合わせて目を閉じるだけで、
かける言葉は「何で?」だけだった。

ただじっと、遺影を眺めていた。

 

他の友達にも、
このことを伝えなきゃいけない。

悲しい気持ちや寂しい気持ちもあるけど、
現実味がない。

そのくらい、急な出来事だった。

俺は、もうすぐ35歳になるけど、
貴ちゃんは、34歳のまま。

まるで時が止まったような感覚。

貴ちゃんが亡くなっても、
自分は生きてるから、
何だか未来を生きてるみたい。

貴ちゃんの時が止まった
2017年10月1日から先の未来を、
俺達は生きている。

もちろん、貴ちゃんだけじゃなくて、
誰かが生きられなかった今日を、
俺達は生きている。

 

貴ちゃんの性格や考えや好み、
特徴や思い出や記憶も全部、
今はもう、どこにもない。

もう二度と、会うこともないし、
話すこともない。

解決策もないし、もう救えない。

過去には戻れないし、生き返ることもない。

もう手遅れ。

 

俺達は、貴ちゃんを救えなかった。

「悩みを打ち明けたら解決してくれる」
って信頼されていれば、
何か言ってもらえたかもしれない。

そこまで信頼されてなかったし、
救えるだけの力もなかった。

落ち込みやすくて塞ぎ込みやすい性格を、
知っているつもりで放置していた。

 

ねぇ、死ぬって決めた時、
どんな気持ちだったの?

死ななきゃいけないくらいの、
状況や状態だったの?

原因は何だったの?

何も分からないし、知ったところで、
もう、貴ちゃんは戻って来ない。

 

今の俺達にできることは、何だろう。