「マッチ売りの少女」という、
有名なおとぎ話がある。
最近のおとぎ話は、
現代っ子用に話が変わってるけど。
内容を簡単に説明すると、
昔のとても寒い季節に、
マッチを売る少女がいた。
でもライターが普及してるから、
マッチなんて誰も買わない。
少女はマッチも売れず、
お金がないから、外で夜を過ごす。
雪が降りやまないくらいとても寒いので、
売れ残ったマッチに火をつけると、
豪勢な料理や、山ほどのプレゼント、
暖かい家が映し出される。
それを繰り返してる内に、
少女は天に召される。
というおとぎ話。
この話は、現代の起業家によく似てる。
起業家の多くが、収入が少なかったり、
嫌な仕事をしているという、
望まない現状の中、
そこから抜け出す為に事業を始める。
待遇が良く、好きな仕事ができている人は、
起業しようと思うことが少ないからだ。
でも現実は、
そう簡単に望む利益は得られない。
肩書きは社長でも、そのほとんどが、
社長らしくない程度の収入しかない。
そして、会社が販売する物やサービスは、
大概が、あまり必要とされなかったり、
時代遅れのもの。
世間に求められていたり、
時代の先端を行く物やサービスは、
大企業や頭の良い人達が、
既にビジネス化してることが多いから。
つまり、まだビジネス化してないものは、
収益が見込めないものである場合が多い。
それでも起業家は夢を見る。
こんな風に人の役に立ったり、
世界をより良く変えたり、
自分が裕福になったり、
賛同や称賛をされたりすることを願う。
でもその夢のほとんどは、
叶うことなく消えていく。
それが、起業してから10年以内に、
廃業・倒産をする企業が、
95%以上という現実。
ほとんどの企業は、
ひもじさと貧しさと孤独の中、
夢を叶えることなく消えていく。
まるでマッチ売りの少女のように。