15年以上も親友の貴ちゃんが、
ある日から音信不通になった。
グループラインに、
最後の既読がついたのは、
2017年10月4日。
連絡をスルーちがちな人だから、
いつものことだとほっといていた。
しかし、2018年になってから、
電話をかけてみると、
「現在使われておりません」
というアナウンスが聞こえてきた。
友達の間で、色んな憶測が飛び交った。
ケータイを失くしたのか、
落ち込んでいるのか、
データを移さずにケータイを替えたのか、
俺達と決別すると決めたのか。
ただ既読スルーするだけなら、
ほっとこうと思っていたけど。
ケータイも繋がらない音信不通なら、
また話は変わってくる。
ということで、友達と2人で、
貴ちゃん探しの旅に出た。
2018年5月13日(日)。天気は大雨。
家から2時間かけて、
貴ちゃんが住むアパートに向かった。
といっても、遊ぶ時はいつも、
俺の地元に来てもらってたから、
貴ちゃんのアパートに行くのは2年ぶり。
住所も分からなかったから、
2年前の記憶を頼りに探した。
歩き回っても見つからず、
結局、他の友達から住所を教えてもらって、
辿り着いたけど、貴ちゃんの車はない。
部屋には誰かが住んでいるけど、
電気も消えてるし、いないみたい。
ということで、次の作戦。
貴ちゃんの実家に訪問する為に、
1時間かけて、来た道を戻る。
実家に到着して呼び鈴を鳴らすと、
貴ちゃんの母親が出迎えてくれた。
「貴ちゃんが音信不通だから心配で、
今探しているところです。」
そう伝えると、貴ちゃんの母親は、
困惑した表情で言葉を詰まらせた。
重い沈黙が流れた後に出た一言は、
「亡くなった」だった。
続く。