懐かしい曲を聴いていたら、昔のことを想い出した。
特に、社会人になってからの記憶を。
人一倍、好き勝手に生きてきたと思う。
23~27歳は、本当に自由だった。
ほとんど何も縛られてなかった。
ひたすら好きなことをやってた。
今は、何かやりたいことがあっても、
「明日眠いと困るから」と思い、眠る。
誰にでもできる仕事をして、
社会の歯車に組み込まれているような毎日。
「そんなんでいいのか」と思いながらも、
居心地の良さと慣性と実力のなさから、
そこに留まり続ける。
28歳になるまでは、将来のことなんて、
何も考えていなかった。
「30歳過ぎたら人生終わり」って思ってた。
未来には、希望も絶望もなかった。
何もなかった。
気が付けば32歳。もう立派な大人になった。
あの頃想像してた理想の自分には程遠いけど。
色んなものをなくして、捨ててきたけど。
それでも「自分は自分」だって。
変わらずに持ち続けてきたものもある。
25歳の時に、ある女と出会い、恋をした。
約1年続いた関係は、快楽に満ちていた。
まるで学生時代の夏休みみたいに、
自由奔放で楽しい時間だったけど。
それと同じかそれ以上に、
悲しくて苦しい思いも沢山した。
あんなに涙を流した時期は、他にない。
もうそんなことさえ、思い出せなくなってきたけど。
純粋で、不器用な恋だった。
らしくないけど「あの時ああしてたら」とか、
何となく考えてみたり、想像してみると、
大概は「これで良かった」って思える。
そう、後悔しないように、決断してきた。
でも今抱えてる、この切なくて寂しい感覚は、
何なんだろ。
何か満たされない。
本当はしたくないこともしてる。
言いたくないことも言ってる。
「それでいいの?」
ファッションや髪型等の見た目に、
人一倍こだわっていた。
遠くまで買い物に行ったり、
どうしたらもっとカッコよくなれるか、
そんなことばかり考えてた。
それはきっと、他人に必要とされたかったから。
皆に自分を見て欲しかったから。
だって見た目が魅力的なら、皆に好かれるから。
ただの構ってちゃんみたいなもんだったね。
幸せじゃない人は、美味しい物を食べることで、
幸せを感じることができるんだってさ。
脳の仕組みがそうなってるらしい。
最近、やせたのをいいことに、
お菓子を沢山食べるようになった。
食べたくもないのに買って食べる。
お腹がいっぱいなのに。
そんなことは、もうやめよう。
とにかく楽しく遊んでいたかった。
周りに取り残されたくなかった。
沢山の人達の輪に含まれていたかった。
プライドばかり高かった。
そんなもの、何の役にも立たなかった。
時間を、湯水の如く垂れ流して使っていた。
人を傷つけてばかりいたのに、
自分を傷つける人を許せなかった。
昔仲良く遊んでた友達とも、会わなくなってる。
一生の親友とさえ思った相手でさえ、今じゃ知り合い。
絆は失っていく。離れ離れになっていく。
それはそれでいい。
自分が「これでいい」って信じた道を歩めているのなら。
長い間会っていなくても、いつでも昔みたいに戻れるから。
お互い、別々の道を進み続けたとしても、
理想の未来を求めて行こうね。
28歳の時に、ある女と出会って、恋をした。
4年付き合ったけど、5ヵ月前に別れた婚約者。
とても幸せな時間を過ごした。
最初の2年は、ほぼ毎日一緒にいた。
色んなことをして、色んな場所へ行った。
ケンカも仲直りも、沢山した。
今住んでるこの部屋には、
まだあの人の思い出が残ってる。
本当に、心から愛してた人だった。
婚約者になりながら、少しずつ、
お互い結婚したくなくなっていった。
別れるべくして別れた。
避けられない運命だったと思う。
でも、それで良かった。
あのまま一緒にいても、
お互いダメになっていったと思うから。
付き合ってくれて、ありがとう。
別れてくれて、ありがとう。
あなたを許します。
今も昔も変わらないこと。
どんなに笑い合って、楽しい時間を過ごしても、
それが終わった後は、凄く寂しい。
楽しければ楽しい程、寂しくなる。
「あんな時間が、ずっと続けばいいのに」って、
いくら思っても、時間は止まらないし、戻らない。
だから身動きが取れないくらい、予定を詰めたがる。
誰かの目や心に留まってないと、不安になるから。
これは俺の弱さ。
でも、強さにもなる。
他人を見下し続けてきた。
自分は特別だって、偉そうにしてきた。
「イケてる友達しかいらない」って、
最低な考えもしてた。
自分勝手だった。わがままだった。
一人ぼっちになって当然なのに、
一人ぼっちにならなかったのは、
とても優しい友達がいてくれたから。
いつも助けてくれる。笑わせてくれる。
何も返せてないけど。感謝してるよ。
さて、と。
80歳まで生きられると仮定した場合、
残りの人生は、まだ半分以上も残ってる。
これから先は、どんな想い出ができてくんだろう。
次は、どんな出会いがあって、
どんな冒険が始まるんだろう。
生きてて良かった。
青春してきて良かった。
俺もあなたも、最後の時を迎える瞬間に、
「悔いのない良い人生だった」って思えるように、
青春していこうね。