社長への恩義

衛生管理者とは

衛生管理者という国家資格がある。

簡単に言うと、健康と安全についての管理をする人。
有害なものや、危険な業務を職場からなくす人。

この資格を取得する為には、
薬物・人体・救命措置等を勉強するみたい。

50人以上いる職場では、
必ずこの資格を持ってる人が必要らしい。

高卒の場合、衛生管理に関わる業務に、
3年以上携わった者なら受験資格がある。

 

会社からの要望

社長「衛生管理者の資格を取って欲しい。」

俺「はぁ。どうしてですか?」

社長「50人以上いる会社には、衛生管理者を置かなければいけないんだけど、今この会社にはいない。坂本君は管理者だし、他の社員との差別化や、キャリアアップの一環として良いと思う。」

俺「そうですか。具体的には、どういう内容なんですか?」

社長から、ざっくりと内容を説明される。

社長「この資格を取ったら、社内業務の労働環境や衛生面も任せていきたい。今とはまた違った目と気持ちで仕事をしてもらえると思う。」

俺「そうですね。知識として、これから生きていく上で役に立ちそうですね。」

社長「役に立つよ。それに、衛生管理者手当もプラスするから、給料が上がるよ。」

 

マジか。管理者手当ってことは、月給3万円昇給ってこと?!

基本給がそれだけ上がれば、それに伴い、
残業代やボーナスもアップするってことだよね。

これは熱い。

 

俺「じゃあ、久しぶりに資格取得に向けて勉強してみます。」

社長「ありがとう!頼んだよ!」

 

社長の優しさ

社長は、俺の給料を上げようとしてくれてる。

他の社員から聞いたんだけど、
「他の社員の給料下げてでも坂本君の給料をもっと上げてあげたい。」
と言ってたらしい。

 

ちょっと罪悪感。

俺は、今の会社に心が向いていない。

自分の会社を設立するのが夢だから。

今の会社は、それまでの仕事って思ってる。

全然真剣じゃないし、正直、手を抜いてる。

なのに、社長はここまで俺のことを考えてくれてる。

ちょっと元気ないと、
「元気ないね。何かあった?」と気遣ってくれる。

ミスをしても、怒らずに、一緒に再発防止策を考えてくれる。
「良い勉強になったね。」って言ってくれる。

 

仕事なんて生活の為に仕方なくするもの。

28歳の時に、この会社に入るまでは、そう思ってた。

でも、入社してすぐに管理者としての業務を与えられた。

パソコンなんて全然操作したことなかったし、
頭脳労働なんて初めてだったけど、
色々教えてくれて、任せてくれた。

そのおかげで、俺は仕事が楽しくなった。

プライベートでも、どんどん勉強して、
スキルアップをしていった。

やがて、社内業務では物足りなくなり、
自分の力で自分がやりたいことを、
仕事にしたいと思うようになった。

その答えが、起業だった。

この会社に入って、社長に出会えたことで、
自分の夢を見つけて、追いかけることができてる。

社長に出会えて、人生が変わった。
 人生に大きな影響を与えてくれた人。

 

昇給させようとする理由

社長が、なぜ俺の給料を上げたがっているのか。

それは、約5ヶ月前。
前カノと別れた時まで話はさかのぼる。

 

2015年11月15日。

4年付き合った、婚約者である前カノと別れた。

その時はとても悲しくて、絶望感でいっぱいだった。

その様子に、会社にいる人達は全員気づく。

社長が「どうしたの?暗いじゃん。」
と言ってきた時に、涙が流れた。

これはただごとじゃないと思ったのか、
次の日に面談をすることになった。

彼女と別れたことは隠して、
将来に希望が持てないことや、
今の収入では不安ということを告げた。

それらは嘘ではなかった。

孤独感が大きかったし、
結婚したり子供を産んだり、
家を建てたりするには、
収入を増やす必要があると思ってたから。

 

それをキッカケに、俺の業務は拡大した。

自分が管理者として所属する製造部だけでなく、
運送部の仕事も与えられた。

「将来的には、会社全体のマネジメントを任せたい。」と、
社長に言われた。

前から、役職につけたがってたのは分かってたけど。

それは社長の意志で、俺は望んでいなかった。

起業するという夢もあったから、
「俺はこの会社の役職に就くつもりはありません。」
と言ったこともある。

でも、社長は俺のことを大切にしてくれて、
実際に収入を上げる為、考えて実行してくれた。

それがとてもありがたかった。

 

実際、俺の月給は5~6万円上がった。

それでも社長は、
「今の給料じゃ、まだ全然足りないと思うけど、できる限り上げていくから。」
と言ってくれた。

会社だって、余裕があるわけじゃないのに。

 

冬のボーナスも上げてくれた。

査定方法を変え、会社に貢献してない人は下げて、
貢献してる人は上げるということにしてくれた。

言葉にはしないけど、
俺が悲しい思いや不安な思いをしないように、
そういう風にしてくれたんだと思う。

最高の上司だし、心から尊敬する。

返しきれない程の恩義がある。

 

最大の分かれ道

国家資格取得を目指すことになり、
現状、転職という選択はなくなった。

しかし、製造や物流に関する業務に対して、
カケラの興味がないのも事実。

起業は、収益性の見通しがつかない限りしない。

今の会社での仕事のクオリティも、
上げていかなきゃいけない。

起業準備・活動・勉強・コンテンツ制作も続けていく。

そうした毎日を過ごして行けば、
やがて分かれ道に辿り着く。

今の会社で働き続けるか、独立起業するか。

小規模の数万円程度の収入ならば、
両立もできるかもしれない。

でも最終的には、
どちらかの道を選ばなければいけない。

そして俺は、迷わず独立起業を選ぶだろう。

その時、今の会社を去ることになる。

社長や社員達とも、別れることになる。

それが、独立起業の最大の試練。

自分の夢を叶える為に、
大切な人達がいる職場から飛び立つこと。

それは青春?

人生は、時に辛い選択を迫られる。

もし、その時が来たら、
選ばなかった方の道は振り返らない。

選んだ道を信じて、ひたすら進み続けるんだ。

社長や会社に返しきれなかった恩義は、
青春Worlds代表として、世界の人々に与えていくんだ。

そうすればきっと、世界はもっと幸せになれる。

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